今年一番の大感動旅鉄がここに集結 鉄旅 OF THE YEAR
2020 審査員メッセージ

井門 隆夫
芦原 伸(あしはら・しん)
(一般社団法人) 日本旅行作家協会 専務理事
「旅と鉄道」名誉編集長

10回目という今年に感慨深い。この10年間、鉄道界は進化し続け、かつてマイナーだった鉄道趣味(好き)は今や一般の人々にも受け入れられ、もはや大衆化しつつある。一方で、廃線のニュースも相次いでいる。鉄道が単なる交通手段ではなく、「生活文化」であることをさらに広めてゆきたいものである。
『旅鉄web』
井門 隆夫
井門 隆夫(いかど・たかお)
(株)井門観光研究所、高崎経済大学地域政策学部観光政策学科教授

もう10回目ですか。これまでと部門の組み方が変更されましたが、どうしてもエスコートものや鉄ものに賞が集中しがちだったかもしれません。そうした修正が目論まれていて、公平な受賞になったのではないでしょうか。それでも、毎年のマニアックな、プロでしか考えられない企画の発想には驚かされ、敬服いたします!
井門観光研究所
旅の手帖
五十嵐 匡一(いがらし・きょういち)
月刊「旅の手帖」編集長

毎年、年を追うごとに独創的なものや、細かくお客様のニーズを吸い取った面白い企画が出てきて、審査のためとはいえ見ていて楽しくなります。今回は、コロナの影響もあってか、長距離移動を伴うものが少なかったように思いますが、より地域に根ざした企画が充実していたように思います。今後もよりブラッシュアップした、企画を期待したいと思います。
ただ一点、特にエスコートプランに顕著なのですが、さまざまなオプションや凝った趣向を紹介するために、パンフレットが複雑化してきて一目でツアーの全貌がわかりにくくなってきているように感じます。各旅行会社様の努力の結果ではあると思いますが、できるだけシンプルにわかりやすいパンフレットになっていけばいいなと思います。
『交通新聞社』
榎本 聖之
榎本 聖之(えのもと・きよゆき)
バー銀座パノラマ渋谷店オーナー

まずはこのような環境の中で、たくさんの鉄旅作品と出会えていること、すべての観光業にかかわる皆様に感謝申し上げます。
残念ながらもう少し我慢の日々が続くことは避けられないのかもしれません。
ただ人は旅を必要とし、新たな発見や出会いを求め続けていることはこれからも変わりありません。いや、むしろさらに私たちに無くてはならないものになるでしょう。
皆様、今は本当につらく厳しくとも、この状況を乗り越えて次回の鉄旅オブザイヤーでまた集結しましょう。そして笑顔でお会いしましょう。

(追伸:2月の授賞式の頃には今これを書いている12月よりも状況が明るくなっていることを願わずにはいられません)

バー銀座パノラマ渋谷店
オオゼキタク
オオゼキタク
シンガーソングライター

鉄旅オブザイヤー10周年おめでとうございます。毎回すごい作品を作ってくださる皆さんに尊敬の念を抱くとともに、アイデアの切り口次第でいくらでも旅は楽しめるんだ、とハッとさせられています。今はなかなか手放しに旅を楽しめる状況とは言い難いですが、元に戻すという発想ではなく、新たな楽しみ方の提案にワクワクしたいと思っています。これからもよろしくお願い致します!!!
オオゼキタク Official鉄道ブログ
大塚 圭一郎
大塚 圭一郎(おおつか・けいいちろう)
共同通信社ワシントン支局次長、「汐留鉄道倶楽部」執筆者

新型コロナウイルス感染拡大を背景に残念ながら鉄道利用を含めた旅行の催行中止が相次ぎましたが、2020年度で10年目の節目を迎えた「鉄旅オブザイヤー」に集まった応募作品を見ると「感染防止に努めながら、よくここまで催行できたものだ」と感心させられる充実したツアーばかりが集まりました。携わった関係各位の熱意と努力に敬意を表したいと思います。コロナ禍は日本各地の地域経済に大きな打撃を与えており、回復の道筋をつける有効な手段の一つとなるのが地元を通る路線を利用した鉄道旅行だけに、鉄旅の地域貢献に大いに期待しています。また、応募作品には政府の観光支援事業「Go Toトラベル」キャンペーンを活用して参加者の支出を抑えたツアーも多かったものの「Go To」ありきの依存型ではなく、参加意欲をかき立てるような魅力的で工夫を凝らした旅程を確立した上で、割安に楽しめるように配慮した商品ばかりでした。インターネットを利用した個人旅行が普及しても、このように「旅行のプロ」ならではの企画力とホスピタリティーに満ちた鉄旅は必ず生き残ると確信しています。私は審査員就任当初の13~16年の勤務先のアメリカ・ニューヨーク駐在に続き、20年12月からワシントン支局に異動となりました。グローバルな視点と、四国や九州にも勤務したローカルな生活感覚を併せ持つ“グローカルミックス”の評価軸で21年度以降も鉄旅オブザイヤーの審査員として力作を評価させていただくのを楽しみにしています。鉄旅は続くよ、どこまでも!(共同通信社ワシントン支局次長、「汐留鉄道倶楽部」執筆者 大塚圭一郎)
汐留鉄道倶楽部
栗原 景
栗原 景(くりはら・かげり)
フォトライター

今年は新型コロナウイルスの感染拡大で、大変な1年でした。例年見られた、地元の人々と大々的に交流するプランが見られなくなってしまったのも、その影響でした。でもその代わり、少人数で静かにじっくり鉄道を楽しむプランも増えて、鉄道の奥深さを感じました。みんなでワイワイ、少人数で静かにじっくり。どんなタイプの旅でも魅力的な作品にできるのが、鉄道の魅力だと再認識しました。旅行業界の皆さまは、本当に大変な思いをされた1年だったと思います。来年も、日本と鉄道の楽しさを手軽に体験させてくれる、素晴らしい作品を楽しみにしています。
栗原景オフィシャルブログ
崎本 武志
崎本 武志(さきもと・たけし)
江戸川大学社会学部現代社会学科 教授

記念すべき第10回目の鉄旅オブザイヤーでは、「人と人とのつながり」こそが鉄旅の原点であることを改めて痛感した。ここ数年、毎年のように猛威を振るう猛烈な台風や大地震などの自然災害は、地方の路線やその沿線地域に甚大な被害をもたらしている。さらに2020年は新型コロナウィルスの惨禍に見舞われた。これらの残酷な惨禍によって、目に見える鉄道路線インフラのネットワークばかりか、目に見えない人々の流れである観光・旅行の営みですら、いとも簡単に断ち切られてしまった。地方の鉄道ばかりか都市部の大動脈である鉄道も、まさに血液に等しい人の流れが消えてなくなろうとしていたことで、苦しい経営を余儀なくされてしまった。
そんなときに開催された第10回の鉄旅オブザイヤーにおいては、傷ついた地方路線を救済しつつ交流や賑わいを通して被災地域の方々を激励するツアーや、新たなイノベーションによって鉄道の魅力を引き出すツアーが次々とノミネートされ、心の底から感動した。「人と人のつながり」が息づく鉄道の旅行商品が各方面で生み出され、鉄旅に新たな息吹が芽生え、より多くの感動が誕生したことに、大きな励ましをいただいた。今回のノミネートされた鉄道旅行商品の企画に携わってこられた各社の皆様に、衷心より厚く御礼申し上げる。第11回以降も、鉄旅の原点であり神髄でもある「人と人とのつながり」を実感することができる、感動的なツアーの登場を期待したい。
杉山 淳一
杉山 淳一(すぎやま・じゅんいち)
フリーライター

新型コロナウィルスに祟られた年でした。旅行すること自体が否定的にとらわれる風潮で、旅行会社、鉄道会社の皆様にはたいへんな苦労や残念感が合ったと思います。それでも、疫病対策に最新の注意を払い、楽しい旅を作り上げてくださって、本当にありがとうございます。抑圧されたところで、人は遊びたい。衣食住が満たされて身体は整います。しかし小さなストレスが心にオリのように溜まっていきます。遊ばなければ心の健康はありません。明るい暮らしのために、これからも頑張りましょう。私も旅を伝える側として頑張ります。

さて、今年の鉄道旅最大のトピックは「鉄印帳」でした。鉄道ファンはもちろんのこと、鉄道ファン以外の旅好きのハートも掴みました。観光列車に次ぐ発明だと思います。鉄印帳は第三セクター鉄道の持つ魅力を引き出す役目、鍋料理で素材の味を際立たせる昆布のような存在だと思います。

鉄旅オブザイヤーの審査では、「鉄道力」「非鉄吸引力」という相反する項目があり、「鉄道力」が高いほど「非鉄吸引力」が下がります。しかし鉄印帳は非鉄吸引力も高めました。鉄旅オブザイヤーが目ざす「パーフェクト」に近づいたと思います。

OFFICE THREE TREES
鉄旅ガールズ
鉄旅ガールズ
鉄道旅行好き女子

毎年、工夫を凝らした商品が並び、心から感心したり楽しませてもらったり、旅行商品の可能性は無限であることを感じさせてもらっている。コロナを経て、タビマエ・ナカ・アトも、旅行商品自体の在り方も大きく変容していくなかで、どこまで人々に「この鉄旅でツアーを選んでよかった、旅行会社を選んでよかった」と思ってもらえるか。難しいが、勝ち筋は必ずあるはずなので、見出して世に提案していってほしい。
鉄旅ガールズの会議室
豊岡 真澄
豊岡 真澄(とよおか・ますみ)
元祖鉄道アイドル、ママ鉄代表

今年は思うように旅ができず、全体的に見ても応援・げんき・癒しといったテーマを感じさせるものが多かったように思う。てっちゃん部門のマニアックレベルがすごく、思わず笑ってしまったものもあった。鉄道には無限の可能性があることもわかった。
豊岡真澄オフィシャルブログ「ママ鉄・豊岡真澄の連心通心」
矢野 直美
矢野 直美(やの・なおみ)
旅をしながら「撮って書く」フォトライター

「鉄旅オブザイヤー」10周年おめでとうございます。10回目となる今回も、鉄道好きの心を強く引き付ける鉄旅プランはもちろん、地域と連携した素晴らしい復興支援企画や非鉄にも魅力的なプランなど、さすが旅行のプロといった素晴らしい企画が盛りだくさんで、とても楽しく審査させていただきました。今回は、ドローン撮影プランや岡山大学とのコラボ企画、インスタ映えする撮影ポイントなど、若い方へアピールするアイデアが増えたように感じました。たくさんのステキなプランを拝見しながら、鉄道、旅は本当に良いものですね、そう実感していました。
矢野直美オフィシャルブログ