今年一番の大感動旅鉄がここに集結 鉄旅 OF THE YEAR
2018 審査員メッセージ

井門 隆夫
井門 隆夫(いかど・たかお)
(株)井門観光研究所、高崎経済大学地域政策学部観光政策学科准教授

甲乙つけがたく、審査するのが忍びないのですが、毎年楽しませていただいております。こうした作品を自治体と連携して実施するのも面白いかと思いました。改善点としては、中には行程表があったほうがよい(チラシの文字が小さくて見えない)ものもあり、そうした場合はお手間をかけない範囲で行程表(チラシ拡大版でも可)があると助かります。今後、地域活性化につながる商品群となっていくことを期待しております!
井門観光研究所
旅の手帖
五十嵐 匡一(いがらし・きょういち)
月刊「旅の手帖」編集長

いつもながら、さまざまな形の鉄道旅があるものだと刺激になりました。なかでも今回いくつかあった花火を絡ませた商品は、個人客では難しく旅行会社ならではの企画だと感じました。また贅沢に全国をまわる旅も羨ましく、いつかは参加してみたいと感じました(料金だけが少し苦しいのですが…)。また一般部門も、個人的な趣味の延長線上ではありながらも、旅として魅力的なものに仕上がっているものが多いように思いました。また来年も楽しみにしています。
『交通新聞社』
榎本 聖之
榎本 聖之(えのもと・きよゆき)
バー銀座パノラマ渋谷店オーナー

旅に出るにあたり何か知りたいことがあれば、手元で何でも調べられる便利な時代ではありますが、その「何か」の先にまだまだ知りもしない場所や大きな体験が無限に広がっていることを、ついつい個人では見落としてしまうこともあるかと思います。
だからこそ、このような数々のツアーが、日々の生活では気づいていなかった「何か」を知るきっかけや新しい体験につながり、それらが今後の生活をも豊かにしていくものだと思います。これからもツアーを通して、個人の枠を超えた「何か」の先を提案していただければ嬉しいです。
バー銀座パノラマ渋谷店
オオゼキタク
オオゼキタク
シンガーソングライター

今回も素晴らしい旅のプラン、楽しませていただきました。どれも甲乙つけがたいですが、「非鉄誘引力」これが肝だと思いました。
一緒に旅したことをきっかけに鉄道好きになってもらう。そしてまた次の旅に誘いたくなる。そんな魅力的なプラン、これからも楽しみにしています!
オオゼキタク Official鉄道ブログ
大塚 圭一郎
大塚 圭一郎(おおつか・けいいちろう)
共同通信社福岡支社編集部次長、鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部」執筆者

「旅行のプロ」である旅行会社が参加者に鉄道旅行を満喫してもらうために全力で企画し、手配し、創意工夫を凝らしたという同じ土俵に立ちながらも、視点も、切り口も、向かう方面も、顧客層も大きく異なるツアーが勢ぞろいし、「鉄旅」の幅の広がったことを強く実感しました。旅をしながら旅行先の地域おこしに一役買ったり、学習の要素を組み合わせて自己啓発に役立ったりする企画が広がっているのも鉄旅が一段と発展する可能性を物語っています。ツアープランナーの大きな目標になっている「鉄旅オブザイヤー」が、幅が広く、奥も深く、それぞれの魅力を放つ鉄旅が続々と“出発”するのを後押しする舞台装置として2019年度以降も大きな役割を果たし続けることを強く願っています。
汐留鉄道倶楽部
栗原 景
栗原 景(くりはら・かげり)
フォトライター

今回は、いつもにも増してレベルが高かったです。以前から、沿線とタイアップする作品が数多くありましたが、その演出と内容が、今年は大きく進化したと感じました。一方で、あくせく動くのではなく、落ち着いて過ごせる列車の魅力を表現した作品が増えたのも印象的でした。フォトライターの頭では想像もつかない作品がたくさん出てきて、改めて鉄旅の奥の深さを知ることができました。
栗原景オフィシャルブログ
崎本 武志
崎本 武志(さきもと・たけし)
江戸川大学社会学部現代社会学科 教授

今回は各コースとも粒ぞろいで、非常に力のこもった好企画が目白押しであった。旅行会社部門では高得点の企画が多く集まったため大変な激戦となり、余りにも僅差だったためなかなか決着をつけることができなかった。競馬のゴールに例えるとハナ差、アタマ差、同着といった形で数多くの企画が高水準でハイレベルな戦いとなった。しかも各コースとも特徴づけが明確で、エッジの効いたツアーばかりであった。非鉄誘引力を度外視して鉄道力を追求したり、他の得点を犠牲にしてでも企画やオリジナリティの奇抜さを前面に出して勝負していたり、各項目とも満遍なくポイントを稼いでバランスを重視したツアーなど、採点していて心からやり甲斐を感じた。また、鉄道を活かすために観光まちづくりや人的交流を主軸に置いたツアーにも大きな可能性を感じさせていただいた。採点や順位づけの苦しさに嬉しい悲鳴をあげつつ、鉄旅オブザイヤーの充実度合いを実感することができ、審査しながら大きな喜びを感じた。
一般部門で目を惹いたのは、CSRや社会貢献を前面に出したツアーに対してである。将来的にはビジネスにも応用されることを願いたいが、このようなツアーが出されたことに私自身大きな励ましと希望をいただいた。特に「みんなが幸せに♡〜KUMAMOTO EASTER〜」のツアーで甚大な被害を受けた南阿蘇鉄道が採り上げられたことに喜びを感じたが、その南阿蘇鉄道を救うために各地の地域鉄道・ローカル鉄道で募金活動を展開していたのが忘れられない。路線や地域は離れていても、まさに「線路はつづくよどこまでも」であり、これが世界に誇るべき日本の鉄道の素晴らしさであると改めて感じた。
鉄道の持つ実力や可能性を存分に引き出し、これほどのハイレベルな各企画を提出していただいた皆様に、心からの称賛と感謝を申し上げたい。
杉山 淳一
杉山 淳一(すぎやま・じゅんいち)
フリーライター

一般部門も力作がそろっていました。でも「自分が行きたい旅」という感じの作品が多かった。ツアー企画ですから「参加してもらいたい旅」という視点が必要です。その意味で、「みんなが幸せに KUMAMOTO EASTER」「“富獄三十七景”私だけの富士山ビュースポットを探せ!ツアー」は秀逸でした。「攻めるぞ!越後庄内~秋の陣~ 」は、ミッションの達成によってグレードアップするお土産の具体的な賞品まで書いてくれたらもっと良かった。それも旅の動機付けになりますから。
ここまでやってあげたほうがいいかな、思ったら、やったほうがいいです。企画でも仕事でも人間関係でも。
OFFICE THREE TREES
矢野 直美
矢野 直美(やの・なおみ)
旅をしながら「撮って書く」フォトライター

今回も資料を拝見しているだけで心が躍るような素敵な企画ばかりでした。旅情を味わえるロングバケーション、女性だけのツアー、一人旅の企画など、さまざまなアイデアがツアーに生かされていると思います。なかでも特に今年は、32番の「列車から観賞!東北復興冬花火と貸切三陸鉄道レトロ列車2日間」に心を打たれました。記録映像を拝見し、涙が出ました。鉄道旅は本当に素晴らしいですね。
矢野直美オフィシャルブログ
鉄旅ガールズ
鉄旅ガールズ
鉄道旅行好き女子

今回も、個性派ぞろいの楽しい審査でした。モノでなくコトの体験を各社が一生懸命企画ししのぎを削るなかで、気づけば、だいぶ欲しがりになっている自分がいることに気づき…少々反省。これからこの「鉄旅市場」がどう醸成していくか、楽しみに見守らせていただきたいです。
鉄旅ガールズの会議室