今年一番の大感動旅鉄がここに集結 鉄旅 OF THE YEAR
グランプリ
JTB旅いく
「親子・三世代で行く!鉄道体験!~旅の魅力の原点である
「鉄道の旅」を楽しもう~」
● 企画担当者の声
■企画趣旨
①ファミリー向け旅行の最需要期となる夏休みに、旅行の目的となりうる、「地域の鉄道」をテーマにした、象徴的かつ 集客力のある商品を開発することで、新たな旅行需要を創出する。
②「お客様満足度90%、リピーター率30%!」付加価値の高い商品づくりを強みとする「JTB旅いく」と、地域の鉄道会社がタイアップして新たな鉄道の楽しみ方を再発見できる体験型商品を開発し、その運営ノウハウを鉄道会社にそのまま提供し、1回のイベントに終わらない再現性再販性のある持続可能な取組とする。

■アピールポイント
ローカル鉄道をファミリーでただ乗車する旅というだけでなく、「子どもが鉄道マン体験ができる」という新たな楽しみ方を加えた商品提案としている。
また、単純に仕事体験させるのではなく、鉄道はもちろんのこと、その地域の様々な魅力までも再発見できるような機会にするため、ストーリー性を重視している。例えば、1つの車両を安全に動かすために沢山の仕事があることを知り、多くの職員さんや地域の方との触れ合いから地域そのものを身近に感じたり、古い道具を今でも大事に使っていることから物を大切にする日本の文化を垣間見たり、昔ながらの運行手法を見ることで、その不便さから現在の豊かな生活のありがたさに気づかされるなど、学びの要素を加えることで、子どもはもちろん同行する大人も期待以上の発見や驚きがある「感動体験の提供」を企画開発の目的にしている。

● 企画者の裏側!(苦労話、こぼれ話)
鉄道マンは、人によっては職人さん的な方も多く、このような体験受入の実施をしたことがないような鉄道会社の方は特に、最初は企画に対してネガティブな意見や態度を取られることがよくありました。でも、これまでの経験から得た知識をこちらから鉄道愛を持って会話していくと、徐々にスイッチが入り、子ども達がどうしたら喜んでくれるか、せっかくだからこんなことをさせてあげよう、これを見せてあげよう等々、色々なアイディアを逆に提案してくれたり、分かりやすい資料を作成してくれたり、時にはお手製の紙芝居を作ってくれたりと・・・お陰で、鉄道会社ごとに個性的で魅力的な商品が出来上がりました。
私も多くの鉄道企画に携わる中で、ポイント切り替え作業やレアな道具などを見る機会も増え、専門用語も少し理解できるようになり、ちょっとだけマニアな質問ができるようになってきました。私なりに感じる鉄道のすごいと思うところをお話すると、どんな方も目が輝き、話が止まらなくなり・・・本当に鉄道が大好きな方たちなんだなぁと思うとともに、さらにディープな魅力を聞かせていただく貴重な機会になりました。 今では、ちょっとした鉄子として社内で認識されつつあります(笑)。
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準グランプリ
ふくしまデスティネーションキャンペーン&日本旅行創業110周年記念
お座敷列車”宴”で行く!福が満開、福のしまの旅
「フルーツ狩りとオリジナルタルト作り2日間」
● 企画担当者の声
〇「福島の世界一」をツアーに盛り込み、福島県の地域の魅力と、復興への確かな手ごたえをお客様に感じて頂く事をコンセプトに ツアーを企画した。インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)で最優秀賞を受賞した会津の日本酒、国連食糧農業機関(FAO)から2011年の「模範農業者賞」に日本人として初めて選ばれた安斎果樹園のさくらんぼ、国際口笛コンクールで世界一の称号を手にした口笛奏者、高木真理子さんによるミニコンサートなど、世界に誇れる福島の魅力をお客様に伝えたいという思いを、通常旅行会社とは接点の無い方々に粘り強く説明・交渉した結果、今回のツアー趣旨に賛同頂くと共に、当日も快くご協力頂くことが出来た。

〇今回のツアーは、福島の旬のフルーツをお客様に味わって頂くために、さくらんぼ・ブルーベリー・ラズベリーが最も食べ頃となる6/20出発限定で、列車の手配交渉を進めた。結果、糖度20度以上という、通常では味わえない最高の状態のさくらんぼをお客様に味わって頂くことができ、皆様に大変ご満足頂いた。更に、直接お召し上がり頂くだけでなく、タルト生地に生クリームを塗り、その上に福島のフルーツを乗せてオリジナルタルト作りも体験頂き、非常に好評であった。

〇新幹線で1時間30分の距離が、今回のお座敷列車では約5時間!お客様を飽きさせないアイデアを皆で出し合った。

〇4月の第1弾ツアーを更にブラッシュアップ!前代未聞の「列車の中でこけし絵付け体験」を実現させる。 列車の揺れに対応できるよう、複数色の筆ペンを仕入れて何とか実現にこぎつけた。絵付け師のレクチャー付!

〇せっかくのお座敷なので、酒処ふくしまの日本酒を堪能頂くべく、粘り強い交渉を重ねて会津蔵元の日本酒マイスターに同乗頂けることになった。単にお酒を飲むだけでなく、杜氏の方の裏話を聞くことで印象深い体験となった。

〇団体臨時列車特有の「運転停車」時間も、お客様を飽きさせないために白河市と交渉して駅前広場でのイベントを実現。県南エリアの中島村の青年団の方々と協力して特産の野菜(きゅうり・ミニトマト)を振る舞い、福島の新鮮で安全な食材をアピールすると共に、国際口笛コンクールで世界一の称号を手にした同村在住の口笛奏者、高木真理子さんにミニコンサート開催頂くなど、ガイドブック等では普段あまり紹介されないエリアの魅力を、お客様に伝えることができた。

〇ふくしま観光交流大使を務めるタレントのなすびさんに参加交渉。エベレスト登山(大地震により登頂断念)からの帰国翌日にも関わらず、列車に同乗頂きお客様との写真撮影などにも快く対応して頂いた。

〇上記のような創意工夫により、通常はご家族連れや女性グループから敬遠されがちな『お座敷列車』にも関わらず、早い段階で150名様分の座席を完売。キャンセル待ちが付くほどマーケットからは支持を得ることが出来、当日も満席の状態でツアー催行することができた。

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審査委員特別賞 
鉱石の道・一円電車保存車両を巡る
「生野銀山・神子畑選鉱場跡&明延一円電車まつり 訪問の旅」
● 企画担当者の声
鉄道は何のためにあるのか・・・・。 
宮脇俊三氏の著作「時刻表昭和史」で、氏が小学校時代に先生から授業で質問され、「鉄道は貨物列車のため、モノを運ぶためにある。」と聞かされて子供心にショックを受けたという話しを書かれていました。
今は道路が整備され、物流の主役がトラックになっていますが、かつて物流の主役と言えば鉄道であり、何十両も貨車を繋げた貨物列車でした。
こうした「レールでモノを運ぶ」舞台は国鉄(~JR)や民鉄ばかりではありません。時刻表には決して現れない「鉄道(軌道)」が日本中に張り巡らされ、明治以降の日本の発展を支えてきました。貨物の専用鉄道をはじめ、森林鉄道や鉱山軌道など、多くの物資が線路の上を通って運ばれていたことは、今もわずかに残る特殊な軌道たちにその残滓が見て取れます。
このようなほとんど人目に付かない軌道の中で、30年前に少し話題になったものがあります。
兵庫県の明延と神子畑・・・・と言っても、地元以外の方にはほとんど馴染みがない地名だと思いますが、山陰本線の八鹿からバスで1時間北へ入った、日本有数の鈴鉱山明延と、山を越えた播但線の新井駅からやはりバスで20分西へ入った、東洋一と言われた選鉱場のある神子畑を結んでいた明延鉱業の専用線、愛称「一円電車」でした。ゲージは762mmのナローで、黒部峡谷鉄道と同じです。
鉱石運搬のために敷設された専用線ですから当然時刻表には掲載されませんでしたが、昭和末期にも関わらず運賃が「1円」ということで「日本一安い鉄道」と話題になりました。
昭和62年に閉山となったためにこの一円電車も廃止となりましたが、長年愛用してきた地元の方の努力で、走っていた客車が全て保存され、更にそのうち1両は動態保存化に成功し、毎年4月から11月の第一日曜日に体験乗車会を行うまでになりました。
廃止になった鉄道の車両の多くは残されることもなく消えていく運命にある中、専用線の車両が四半世紀以上も形を残していることは日本の鉄道史においても貴重な存在であり、また一円電車を活用した地域の活性化は鉄道を観光資源とする各地の取り組みの参考事例としても価値が高いと考えます。
日本の近代史の中で、産業が大きく発展していった時代の大切な遺産を見ていただくことで、鉄道が果たしている数多くの役割の一つを実感していただき、物流における鉄道の重要性を考えていただきたい、そんな思いで企画しました。

● 企画者の裏側!(苦労話、こぼれ話)
そもそもなんで一円電車の保存車両を訪ねようと考えたのか、きっかけは偶然でした。
若桜鉄道のイベントに出店していた大阪の鉄道グッズショップのコーナーの片隅に、一円電車のグッズが少しだけありました。珍しいと思って聞いたところ、秋の一円電車まつりにも出店し、販売しているためとか。しかし、あまり写真などが残っていない、という話しでした。
実は、私は高校時代に現役の一円電車を訪ねた経験があり、当時の写真もあることからサンプルを送ったところ、極めて珍しいものだと連絡がありました。
そこで6月の体験乗車日に30数年ぶりの訪問をして、地元の方に写真や当時の切符(本物)を提供したら大変喜んでいただけました。地元にとっては当たり前の存在だったため、写真に撮る人も少なく、今となってはなかなか集められないとか・・・。特に不要な鉱石(ズリ)を捨てるために敷かれた通称「ズリ捨て線」の機関車は一円電車より狭い510mmゲージで、ここにも電気機関車が使われていたのですが、この写真がほとんどなかったとのこと。
パンフレットなどに使用させて欲しいということでしたので、もちろん喜んで了解させていただきましたが、35年前にはこんなことになるなんて考えてもいませんでした。
ちなみにお客様にプレゼントしたポストカード(5枚組)の写真も私の撮ったもので、グッズとして明延で発売されました。
この訪問の際に、今年も「一円電車まつり」を開催することを伺い、私自身も懐かしい思い出の地ということもあって、活性化を図るために努力している明延を応援すべくツアーを企画したのですが、正直どのような反応があるか不安でした。
廃止から30年が経過し、またファンの多い関東から遠いこともあって、関心を持っていただけるか。また10月は各地で鉄道に関するイベントがあり、多くのファンは現役の鉄道の方を選ぶので、参加者が集まらないのではないか。そもそも話題になるのか・・・・。
結果として参加者14名と多くはありませんでしたが、リリース直後にはYahooをはじめ多くの媒体に取り上げていただき、弊社のツアーだけでなく、明延の一円電車まつりそのものの告知にもなったと現地で伺いました。
当日、大阪のよみうりテレビが取材に来ており、あとで伺ったところYahooのニュースでツアーとまつりの存在を知ったとのこと。お客様が少ないのは残念でしたが、多少なりとも明延に対しては貢献出来たとすれば、実施した甲斐もあり、担当者としては嬉しい限りです。
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審査委員特別賞 
懐かしの583系寝台列車と大曲花火 秋の章 2
● 企画担当者の声
昭和43年に誕生した懐かしの寝台列車「583系」の団体臨時列車と、「大曲花火の秋の章」を組み合わせた商品。
全国各地で特急として活躍していた583系が運行を終了して早20年。現在では1編成のみとなった貴重な車両での運行は、鉄道ファンだけでなく、現役時代に乗車したという多くの方にもお楽しみ頂けると考えました。
また夏花火は全国的も有名な大曲で昨年より行われている「秋花火」を組み合わせることにより、さらに特別観を演出できたと思います。花火終了後に大曲駅を出発し、翌朝8時前に上野駅に到着するという、寝台列車旅ならではの旅情と利便性を兼ね備えた商品です。 

● 企画者の裏側!(苦労話、こぼれ話)
販売タイミングが出発1ヶ月前ということもあり、集客できるのか不安な点もありました。新聞広告が掲載された日は日曜日でしたが、コールセンターがオープンし20分で完売、その後キャンセル待ちが160名にもなりました。583系人気の根強さに驚嘆しつつもこれだけ人気のある列車であれば今後のツアー造成の可能性が充分あると確信しました。
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ルーキー賞 
3つの寝台列車乗り比べ
JR最北の稚内駅・最南の西大山駅
● 企画担当者の声
オールA寝台個室のカシオペア、客車急行はまなすB寝台、電車型寝台特急サンライズ出雲B寝台個室の3寝台に乗車し、JR最北の稚内駅、最南の西大山駅を巡るツアー。新幹線は新幹線最北の駅、新青森駅から最南の鹿児島中央駅まで1日で大移動。座席ははやぶさグリーン車・のぞみ号グリーン車・さくら号2人掛けシート普通車指定席でゆとりある座席シートの車両を利用いただきます。JR九州の指宿のたまて箱やデザインが特徴的な特急ソニック・きりしま、美しい日本海に沿って走るJR西日本のスーパーおきなど、1度行ってみたい最遠の駅と多種多様な列車に乗る特別なツアーとなりました。

● 企画者の裏側!(苦労話、こぼれ話)
手配がしにくい、カシオペア・サンライズ出雲・はまなすと3つの列車を行程で組み合わせるのが大変だった。
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