今年一番の大感動旅鉄がここに集結 鉄旅 OF THE YEAR
グランプリ
 「長州黒かしわを味わう!長門湯本温泉 or 俵山温泉に泊まる!貸切やきとり列車の旅2日間 」
● 企画担当者の声
山陽新幹線や山陽本線に接続する厚狭駅より、山陰本線の長門市駅までを結ぶJR美祢線は、2010年7月の集中豪雨に見舞われ橋りょうの橋げたや橋脚が流失するなど大きな被害を受け、一年以上もの間不通となっていました。今回のツアーは、JR美祢線の運転再開を機に同路線の利用促進を図ることを目的として、沿線の観光素材を組み込んだイベント列車です。沿線の一つ長門市は、市内にある焼き鳥店舗数が日本トップクラス(人口1万人あたり8.7店)で全国でも有数の焼き鳥の街です。今回の企画のきっかけは、名物である焼き鳥のPRとJR美祢線の利用促進を図ろうというところから焼き鳥列車の企画が持ち上がりました。

やきとり列車では、ビールと地酒(お子様にはポカリスェット、大人の方にも酔い覚ましのポカリスェット)、地元特産品の蒲鉾などを片手に2両編成の山口線車両で新山口駅を出発します。仙崎駅方面へと向かう車内では、お客様の気分を盛り上げようと赤ちょうちんと「やきとり」の暖簾で演出し、焼き鳥は最初の停車駅・厚狭で提供します。列車内で山口県観光フレンズの案内、スピードくじ大会が終わる頃には厚狭駅へ到着。地元有志による太鼓と供に、駅の外で焼き鳥の臨時屋台を並べ香ばしい香りでお出迎え。山口県初のブランド鳥・長州黒かしわ串2本と長州どり1本の計3本はツアー参加特典として、無料でお渡しします。目の前で、アツアツの焼きたて 長門名物 焼き鳥をお召し上がりいただきます。長州黒かしわは身が締まっていて弾力があり噛めば噛むほど鳥のうまみが味わえ、長州どりはジューシーな味わいとぷりぷりの食感が魅力です。焼き鳥は他にも豚バラ、つくね、砂ずりも別売りで販売。列車内では生ビールも販売し、ロングシートの向かい合わせに座った乗客と自然と会話が盛り上がるもの「焼き鳥列車」の面白さ。二つ目の停車駅の美祢駅ではB級グルメ「親鳥のタレ焼き」や道の駅「おふく」のシャーベット、地酒を販売。温泉街にある長門湯本駅ではわずか2分間の停車時間ながら旅館の美人女将たち30人が手を振ってお出迎え。終点の仙崎駅に到着するころには、のどかなJR美祢線の風景、焼き鳥と会話でおなかも心も満たされる列車の旅です。

● 企画者の裏側!(苦労話、こぼれ話)
乗車人員が減少しているJR美祢線を活用した面白いツアーを造成しいかに地域に貢献ができるか?山口県観光振興課、長門市の方と居酒屋でのミーティング?からこの企画はスタートしました。「焼き鳥の街 長門」といえば焼き鳥列車(世界初?)でしょうということで、大人は、長門名物 焼き鳥 B級グルメを片手にビ-ル・地酒・ワイン 子供は、焼き鳥・かき氷・地スィーツを楽しみながら夏の思い出で残すというコンセプトのもと企画をすすめました。まずぶちあたった壁は、列車内で火を使えない=焼き鳥が焼けないことです。列車内でもうもうと香ばしい煙をあげ焼き鳥を楽しみながらビールを楽しむことを頭に描いていたのでどう焼き鳥を美味しく食べてもらうか?頭をひねりました。深川養鶏農業協同組合・長州やきとり横丁連絡協議会に協力いただき厚狭駅内に臨時屋台を設け到着にあわせあつあつの焼き鳥をご準備いただいたり地元子供たちによる太鼓の歓迎、地スィーツや地酒を販売したり演出にこだわりました。また停車駅(厚狭駅、美祢駅、長門湯本駅)では、地元ならではのおもてなしをいかに楽しんでいただくか?地域の方のご意見をいただきながら計画いたしました。当初は、焼き鳥列車のイメージがわかりにくかったのか集客に苦労しましたが結果的には90名×2班満席にて催行できました。列車内は、居酒屋状態となり知らない方同士が語り合い美祢線ののどかな風景、地域の宝を満喫いただけたと思います。

当初はご家族連れを想定していましたが、7割はお酒好きなご年配の方、3割がご家族連れでした。地域の方の協力なしには、実現できない地域の地域による地域のためのツアーとなりました。今後も列車を利用した地域活性化のツアーを実施し地域の良さを伝えていきたいと思います。山口県・山陽小野田市・美祢市・長門市・俵山温泉・長門湯本温泉旅館協同組合・永山酒造・大塚製薬・大嶺酒造・フジミツ・JR西日本・深川養鶏農業協同組合・長門やきとり横丁連絡協議会その他ご協力いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。
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準グランプリ
 「欧亜国際連絡列車   100周年記念号の旅
(夏のウラジオストククルーズCコース特別列車乗車プラン: 日本クルーズ客船(株)企画)
● 企画担当者の声
本年2012年は1912年6月より新橋~金ヶ崎(敦賀港)間に欧亜国際連絡列車の運行が開始されてから、100年目の記念すべき年にあたることから、これを記念し当社が大阪→敦賀間に「欧亜国際連絡列車100周年記念号」を団臨設定、また敦賀とウラジオストクの間で定期航路が開設されてから110年目にあたることから、日本クルーズ客船がこの列車に接続し、敦賀(博多)とウラジオストクの間に「夏のロシア ウラジオストククルーズ」としてぱしふぃっくびいなすを運航、記念ツアーとして企画、実施した。また地元、敦賀ではこの列車の到着を受け、JR西日本金沢支社敦賀駅が敦賀市の協力を得て歓迎セレモニーや「サロンカーなにわ見学会」などのイベントを実施した。ツアープランとしては、記念列車のみの乗車と列車に乗車した後、ウラジオストクに向かうクルーズプランの両プランを企画・実施(前者は日本旅行、後者は日本クルーズ客船の企画・実施)したが、列車については212名の集客があり、添乗員用の7席を除き全席完売した。列車はJR西日本様のご協力をいただき、記念列車にふさわしい展望室付きの欧風客車「サロンカーなにわ」を利用。ゆったりとくつろげる列車の旅を提供した。大阪→敦賀間のルートについては、当時の欧亜国際連絡列車のルートを少しでもたどるべく、また現在の北陸本線の前身である長浜~金ヶ崎間が開通して130年目の記念すべき年にあたることから、米原、長浜経由とした。列車ご乗車のお客様には特典として、記念乗車証や記念キーホルダーといった「欧亜国際連絡列車100周年記念号」をデザイン化したオリジナルグッズのほか、当時のパリまでの欧亜連絡乗車船券を参考に制作した、乗車船券表紙をはさんだリーフレット(欧亜国際連絡列車の概要記載)をお渡しした。また車内での昼食についても、敦賀駅で本年のみ特別販売されている「敦賀 鉄道の夜明け130年!記念弁当」(調製:塩荘)を敦賀から当日朝、大阪に運搬、車中でお召し上がりいただいた。敦賀駅到着後の歓迎セレモニーや「サロンカーなにわ」見学会も大いに盛り上がった。

● 企画者の裏側!(苦労話、こぼれ話)
JR西日本、敦賀市、日本クルーズ客船、そして当社の4社が一体となった取り組みが、1ツアーの域を超え記念行事 という位置づけとなり、集客及び到着地での賑わいにつながった。
集客については、クルーズ乗船者の約4割にあたるお客様が、欧亜国際連絡列車100周年記念号に乗車するCコー スを選択し、鉄道ファンではない一般の方々の間でも鉄道及び特別な列車の人気の高さを裏付けた。
到着地「敦賀」でJR西日本金沢支社敦賀駅が実施した歓迎セレモニーやイベントは、約3千名(列車乗客を除く)も の方々を集客し、地域の活性化にも貢献できた。
列車設定にあたっては、サロンカーなにわ(客車)の色にマッチする電気機関車(トワイライトエクスプレス専用機)の手配 や、ヘッドマーク及びサボの制作、装着など、記念列車にふさわしい雰囲気作りに気を使った。
お客様特典としての、乗車船券制作(当時のものを模したもの)にあたっては、鉄道博物館のご協力を仰ぎ、当時の   実物にできるだけ近づけたものを制作した。

☆東京~敦賀間に記念列車を運行し、ウラジオストクからシベリア鉄道経由でヨーロッパ各地へ到達する、当時の欧亜連絡運輸の旅を再現したツアーが商品造成者としての「夢」である。
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審査委員特別賞 
「鉄道でめぐる!日本一周の旅14日間」
● 企画担当者の声
北海道から九州まで、全25列車に乗車!行程の目玉は、大阪から札幌へは豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」の乗車と東京から山陰へは最新鋭の寝台特急「サンライズ出雲」の乗車。特にトワイライトエクスプレスは、座席確保が困難な為14日間の行程の始まりには最適。
日本最北端の駅稚内、最東端の駅東根室、最南端の駅たびら平戸口、最西端の駅東大山を訪問。
ご旅行の最後に、4つの駅の到達証明書付き!
宿泊先は、全国の有名温泉地に宿泊。旅の最後は、道後温泉の老舗旅館「大和屋本店」で旅の疲れを癒す。
昼食もご当地グルメを賞味!札幌海鮮丼、紋別ホワイトカレー、角館稲庭うどん、仙台牛タン、呼子イカ生き造り、大分関アジ・関サバ、松山鯛めしなど。

● 企画者の裏側!(苦労話、こぼれ話)
本来なら、下見に行って行程・乗り継ぎに無理がないか確認したいところだが、いかんせん14日間は無理がある為、行程は時刻表とにらめっこ。苦労した点は、運転本数が少ない路線(特に北海道)の列車と寝台列車。1日目と7日目は企画段階で寝台列車と決めていた為(東日本の日数と西日本の日数を均等にする為)前後の行程には細心の注意を払った。2~3日の旅行が主流の中、14日間の行程が適切なのか?また旅行代金は高すぎないのか?との葛藤がありました。しかし、蓋を開けてみると少しずつではあるが、お申込みが増えていき、心の中でにんまり。と同時に、お買い求めいただいたお客様に、必ず満足していただかないといけない、というプレッシャーも日に日に増加していった。お客様への日程表にも一工夫(添乗員の似顔絵・名前を表記。各地の平均気温を記載)するなど、この企画に携わった担当者一同が、最高の満足を追求した結果、お客様からのアンケート評価も良い結果で終わり、肩の荷が降りた気分となった。この成功を元に、今後も改良を重ねつつ、日本一周の旅を手がけたい。
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審査委員特別賞 
「クラブツーリズム 紅葉エクスプレスで行く秋色輝く北海道5日間」
● 企画担当者の声
北海道が紅葉シーズンを迎える9月にJR北海道ノースレインボー車両をチャーターし、5日間かけて道央~道東をめぐる周遊商品を企画造成しました。ノースレインボー車両は、目線が高いハイデッカー車両かつ天窓や連続窓があり、北海道らしい車窓風景をお楽しみいただくことができるため当車両を選択しました。また今回は首都圏発だけでなく九州発・関西発・名古屋発・仙台発など全国展開で実施致しました。ツアーポイントとしては、①ノースレインボーエクスプレスが通常は運行していない特別ルートを走行 ②車内にて現地ガイドによる景色や歴史など北海道の魅力案内 ③当ツアーでしかお召し上がることができないオリジナル駅弁やオリジナル記念乗車証明書進呈など当企画でなければ味わうことができない感動体験が魅力です。企画の1番の売りは、ただ列車を貸切運行するだけではなく、ノースレインボーエクスプレスの根室入線を実現したことです。過去をさかのぼっても当車両が根室本線(花咲線)を走行したことは例がなく(JR北海道談)、旅行業界にとっても新たな取り組みが出来たと実感しますし、お客様にとっても、通常では絶対に味わうことが出来ない高付加価値体験となりました。また、各駅や観光地でのおもてなしもお客様にご好評をいただきました。初日の帯広駅では駅長をはじめ、駅係員、十勝青空レディが歓迎の横断幕を持ってのお出迎え、釧路湿原駅でも同様、納沙布岬では地元の皆様からのカニ汁のお振る舞いや歓迎の挨拶など、地域自治体と共にお客様を歓迎することができました。当企画のためだけに作った写真立てにもなる記念乗車証明書やさっぽろスイーツなどの北海道銘菓をツアー中,毎日車内でご提供したことも、通常のコースでは味わえない旅の楽しみとしてご満足をいただきました。

● 企画者の裏側!(苦労話、こぼれ話)
企画造成にむけて打ち合わせを開始したのが11月。そこから約10ヶ月間は交渉・調整・打ち合わせと困難の連続でした。通常は運行しない特別ルートに加え、「根室に入線したい!」という我々の強い気持ちを全面に受け止めてくださった北海道旅客鉄道(株)様には大きなお力添えをいただきました。行程がどうしてもレール上であることや、入線時間・停車時間等の規制もあり旅行行程をひとつひとつ詰めるにも大変多くの時間を要しましたが、それだけ私自身にも力が入りました。私も含め今回の企画に携わったスタッフ達とJR北海道東京営業所の2名も同行して頂き、ツアー出発前日より北海道に入り、現地JR北海道様との打ち合わせや今回特別に作った「クラブツーリズム紅葉エクスプレス」のサボを各車両に貼り付け、積み込みのスイーツの用意など前日から慌しく準備を行いました。スタッフ一同、緊張の初日でしたが、車内でお客様より「すごい企画だね!また来年もやってよ!」という声を数多くいただき、これまでの苦労が報われたと同時に帯広駅や釧路駅などで横断幕をかかげお客様をお出迎えしていただいた駅長などJR北海道の皆様に感謝いたします。

今回のツアーは、首都圏だけではなく、九州、関西、名古屋、仙台まで日本全国のクラブツーリズム会員にむけて募集し、全国各地のお客様にご参加いただくにあたり、各発地からの飛行機と列車の接続や宿の選定・仕入れなど細かな点にも苦労しましたが、列車内で日本各地のお客様が楽しそうにコミュニケーションをとっていたり、旅仲間となって一緒に写真を撮られている姿を見ることができ、当企画を実現することができよかったと思います。
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審査員特別賞 
「サロンカーなにわ 鉄道クルーズ 日本海の絶景を望む 山陰縦断ローカル線の旅4日間 」
● 企画担当者の声
単に列車に乗って旅行をするだけでなく、船のクルーズのような感覚で 非鉄系のお客様に心から鉄道旅行の楽しさを実感して頂くことを第一に考え サロンカーなにわという列車を舞台に 様々な感動のおもてなしが連続して展開する企画に仕上げました。列車乗車中は、日本海の絶景をはじめとする素晴らしい車窓を見ながら、カメラ教室、古事記講話、温泉の楽しみ方講座、クラシックの生演奏など数々の車内イベントをご用意しました。 また車窓については、ハイライトスポットをお客様が見逃してしまわない様に、サロンカー乗車前に通過時刻が入った車窓のご案内(風景の時刻表)を配布する細かい演出にもこだわりました。尚、車窓のイメージ写真はプロカメラマンではなく 全て社員が撮影した画像を使用しました。鉄道旅行の定番アイテムである名物駅弁はもちろんの事、観光(鳥取砂丘、砂の博物館、出雲大社、世界遺産の石見銀山、小京都津和野)、宿泊する温泉地(城崎、玉造、温泉津)も取り入れて、旅行内容をパワーアップさせました。また、観光ムードをより一層盛り上げる演出として、ご当地ゆるキャラが当ツアーのお客様だけの為にお出迎え、お見送りをする仕掛けを盛り込みました。具体的には鳥取駅到着時に改札口で、とりピーによるお出迎え、出雲市駅出発時にはホーム上で、しまねっこによるお見送りを設定しました。列車の最後尾には、このツアーのために特注したヘッドマークを付けて、長時間停車時などの際、お客様に自由に撮影して頂けるようにしました。また記念乗車証は、単に印刷しただけの物を配布するのではなく、サロンカーなにわの始発駅(城崎温泉駅)と終着駅(新山口駅)の駅長名実名と、お客様のお名前をお一人ずつ記入した物を ツアーの最後に配布しました。併せて記念の特製キーホルダーもお渡ししました。

● 企画者の裏側!(苦労話、こぼれ話)
当ツアーは非鉄系のお客様向けの内容とする為、様々な演出素材を盛り込んだのですが、その為には沿線の各自治体やJR西日本等との交渉・協力が不可欠で、1つずつ地道に素材を積み上げて行きました。具体的には、鳥取駅・出雲市駅構内での ゆるキャラ演出、安来駅構内での郷土芸能安来節実演、修造中の出雲大社本殿特別拝観などは 関係機関の協力を得て実現させたものです。列車の中でお客様に寛いで頂けるよう、クルーズ客船をイメージしてコンパニオン2名が乗務し コーヒーやお茶菓子のサービスを行い お客様にはご好評をいただきました。また、サロンカーなにわのラスト区間(津和野駅~新山口駅間)では大抽選会を行い、各県、JR西日本、旅館、JTBより提供した景品が 全員のお客様に当たるようにしました。特にヘッドマークのレプリカ(直径25CM、プラスチック製) 及び ヘッドマーク本体(直径70CM、アクリル製)が当たったお客様は大喜びでした。また、サロンカーなにわが山口線を走行する為 SLによる牽引をJR西日本へお願いしましたが、ドッグ入りとの事で実現しませんでした。しかしながら、JR側の配慮と計らいにより 列車の新山口駅到着時刻に併せて このツアーのお客様の為に 特別にSLを車庫からホームへ移動して お客様が運転台を見学したり記念撮影ができるようにして頂きました。車窓のご案内に記載の通過時刻については、写真撮影の際に入手した実測データとJR西日本から提供頂いた運転報から分析して割り出しました。尚、募集用パンフレットは、見開き80CMの大判にして 商品のインパクトを醸し出すようにしました。
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