今年一番の大感動旅鉄がここに集結 鉄旅 OF THE YEAR
グランプリ 「怪奇!!トロッコ列車 京都保津川2時間サスペンス」
● 企画担当者の声
2010年5月頃、社内の鉄道部会により 鉄道を素材にした商品のブレストを実施した結果、普段は日中しか走らない嵯峨野トロッコ列車を夜間時間帯に走らせて、保津川の暗闇を舞台にした一夜限定の演出を楽しんで頂く案が採用され、嵯峨野観光鉄道(株)へ同案の提案を行ったところ 賛同を頂き 実現しました。

真っ暗闇の中で列車を停止させて、車内照明も落とした中での お寺の住職による怪談や、途中駅での笑劇舞踊団による妖怪パフォーマンスなど暑さも吹き飛ぶ演出が多数飛び出します。また列車の中だけではなく、発車前にはご住職によるお祓いも行われます。

昨年度 2010年9月に第1回を設定したところ 完売となり、さらに多数のお問合せを頂きましたが満員お断りの状況となりました。これを受けて今年度も8月に設定し 昨年同様に完売となりました。

通常は、昼間に列車の中から保津川渓谷の風景を楽しむコンセプトで運行されている嵯峨野トロッコ列車において 発想を180度転換し 景色の見えない夜間に走らせるという逆転のコンセプトがお客様に受け入れられて 大HIT商品になった事例と言えます。

● 企画者の裏側!(苦労話、こぼれ話)
ツアーの実施にあたっては、嵯峨野観光鉄道社員の方々による多大な協力を頂きました。 通常、夜間はオープンしない嵯峨駅、亀岡駅のオープンや 構造上 一部 JR線を走ることによるJR西日本とのダイヤ調整、夜間運行におけるお客様の安全確保等 社員総出で対応を頂きました。
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準グランプリ 「人気列車でめぐる!九州一周」
● 企画担当者の声
「九州新幹線」と九州内の7つの「人気列車」に乗車して九州を存分に楽しむ特別コース。

1日目は話題の「さくら」に乗って鹿児島へ。鹿児島から人気の「指宿のたまて箱」で指宿まで向かい、西大山駅では「最南端到着証明書」を差し上げ、ローカル線にも乗車。お泊まりの「指宿温泉」では名物「砂蒸し風呂」で癒し体験。

2日目は美しい景色を楽しみながら「はやとの風」「しんぺい」「SL人吉」を乗り継ぎ、熊本へ。途中、人気の駅弁「百年の旅物語かれい川」をご用意。熊本では「路面電車」を特別に貸切して熊本城へ。夜の「熊本城」では「おもてなし武将隊」がお出迎え。夕食は今年オープンして話題の「城彩苑」にて熊本の地元素材にこだわった料理。

3日目は新列車「あそぼーい!」から「南阿蘇鉄道」に乗り換え、阿蘇の自然を楽しんだ後、お泊まりは「湯布院温泉」。最終日の午前中は自由に湯布院の街を楽しんでいただき、「ゆふいんの森」に乗車して博多経由で帰路という4日間で九州の「人気列車」と「自然」「温泉」「グルメ」をふんだんに楽しめる満喫コース。

個人旅行ではなかなか手配しにくい「人気列車」を多数揃えて、必要に応じてバス移動を組み入れる事でスムーズに周遊でき、さらにツアーならではの「お楽しみ演出」を取り入れているので、一味違う九州旅行が楽しめる特別企画。

● 企画者の裏側!(苦労話、こぼれ話)
今回は「鉄道」もさる事ながら、「旬」の時期の九州を楽しでもらいたいという事で、人気の時期である10月下旬から12月上旬に合わせて、設定をおこなったが、人気時期という事もあり、「列車」「宿泊」の手配において、かなり難航しました。

個人的にはこの内容なら人気時期でなくても、オフ時期でも売れるのではと思いながらも、やはり、せっかくなのでいい時期の九州を楽しんでもらいたいと葛藤しながら、「初志貫徹」でこの設定日に決めました。最終的には、「お客様に最も喜んでいただきたい」という事を優先させました。
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審査委員特別賞 「ブライダルトレイン in ひたちなか海浜鉄道」
● 企画担当者の声
鉄道ファンにとって、自分のために「列車」を走らせることが出来ること、そしてそれが最愛の人と一緒の汽車旅ならば、これにまさる幸せはないでしょう。長年の鉄道ファンであるご主人と、その理解者でもある奥様から、「結婚する記念に、ぜひブライダルトレインを走らせたい。それも出来ることなら、東日本大震災で大きな被害をうけたひたちなか海浜鉄道さんで実施することで、鉄道ファンとして少しでも応援したい。」と依頼がありました。ひたちなか海浜鉄道さんに打診すると、せっかくのお申し出なのだからと、ご快諾をいただけたうえに、よりお二人の思い出に残るようにと、以下のような企画も実現していただけました。

○定期列車に旧型気動車の貸切車両を増結、オリジナルの記念ヘッドマークを取り付け。
○貸切車両側面にも、オリジナルの記念サボを取り付け。
○この企画のための「記念硬券乗車票」を作成、裏面には新郎新婦のメッセージを入れて参加者に配布。
○那珂湊駅構内に保存されている日本初のステンレス製気動車「ケハ601」の前で、おらが湊鉄道応援団のご協力も得て記念セレモニー実施。ひたちなか海浜鉄道吉田社長からもお祝いの言葉を。セレモニーのあとは那珂湊市内の「春日ホテル」に移動し、食事会を実施することで、参加者が街に出て、那珂湊の街に触れ親しむ機会も作りました。

ブライダルですから主役は新郎新婦ですが、参加者をはじめ、ひたちなか海浜鉄道さん、おらが湊鉄道応援団さんなど、ご協力いただいた多くの方も楽しんでいいだけるよう、オリジナリティを出すことに留意しました。ひたちなか海浜鉄道さんとしては初めての試みとのことでしたが、鉄道でこんなことも出来るという事例の、また震災以降の明るい話題の一つとして、おらが湊鉄道応援団が発行する「応援団報(2011年9月号)にもご紹介いただけました。

● 企画者の裏側!(苦労話、こぼれ話)
貸切車両では当然のように「ビール」で「乾杯」をすることになりました。普通なら缶ビールを積み込むところですが、この日用意したのはエビスビールの「小瓶」。実はこの気動車、窓枠の下に「栓抜き」が付いているのです。缶飲料がほとんどの今では使うことはまずありませんが、かつて瓶を開けた懐かしい感触を思い出していただこうとしたところ、思いのほか「ウケ」ました。
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審査委員特別賞 「あけましておめde鈍行列車のお正月」
● 企画担当者の声
年末年始をお一人で過ごすお年寄りをターゲットにとらえた鉄道ツアー。
2008年からスタートし、年月を経て大人気商品に育ちました。
今年度は3コースをラインナップ、いずれの商品も1名様参加の追加代金が「ゼロ」円なところがポイントです。
参加者の8割が1名様でのご参加、そのうち70%が女性の参加になっていて、結果的に「70代女性お一人様」という大変希少なターゲットに支持を得ています。

「鈍行列車=安くて遅い」というイメージを裏切る、思い切った高額料金設定により、「楽しい仲間と、ゆっくり鉄道の旅+地元の美味しいものを食べられる」という評判を得ています。

● 企画者の裏側!(苦労話、こぼれ話)
毎回冬の時期と言うことで、ダイヤが乱れることも多く、常に時刻表を携帯しながらの年越しになっています。 昨年末から続いた寒波で、山陰から九州にかけて降雪が続き大変でしたが、間一髪通り抜けることができました。
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東北応援賞 「鉄道旅情東北「絆」でつなぐ三陸路2日間 」
● 企画担当者の声
三陸鉄道は、「三陸観光の象徴」であるが、「手旗信号でも」運転を再開している点に着目。
通常乗車しない区間(宮古~小本間。久慈ポーションは運行区間短すぎる)を乗車する内容に。
本来はベストシーズンである「浄土ヶ浜遊覧船」(7月16日より運航再開したばかり)を、敢えて「組込み」にした。(⇒通常は、当素材は、”別料金(¥1200)”扱いで運用)
津波被害が甚大であった、田野畑村の「津波語り部ガイド」による、被災地視察。
震災後、現地で頑張っている方々の様子を垣間見る「八戸の朝市」(この素材も7月上旬より再開) 「宮古の魚菜市場」を組み込んだ。
上記4点のポイントを「核」に、津波イメージが強い「三陸もここまで復興している」という点を訴求。

● 企画者の裏側!(苦労話、こぼれ話)
三陸は元来、観光地として強い素材であるが、震災後、きちんと被災地の視察に行っていなかった。8月上旬、実際に視察し、特に「三陸鉄道」「浄土ヶ浜遊覧船」は、通常とおりお客様をご案内しても、オペレーション上、全く問題がないことを確信(一方、観光客が全く居ない状況にショックを受ける)。

⇒「今の三陸を団体ツアーで貢献できるのはクラブツーリズムしかない」という思いを強く募らせた。視察後、すぐに企画。9月3日の新聞広告(日経新聞夕刊)を皮切りに、発表いたしました。
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